プリン体の摂取と健康ガイド: 役割から含有量まで詳しく解説

お酒の知識
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プリン体とは何か?

プリン体は、遺伝子情報を持つ物質であるDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の構成成分の一つです。

これらは細胞の中で遺伝子情報を持っており、細胞の成長や修復に必要な設計図のような役割を果たします。

「プリン体=身体に悪い」というイメージがあるかもしれませんが、実は生命活動に欠かせない栄養素です。

私たちの体内で作られるプリン体が全体の7〜8割を占め、食事から摂取されるプリン体は2〜3割です。

プリン体の役割:摂取から排出までの流れ

摂取から吸収まで

  1. 食事によってプリン体含んだ核酸(DNAやRNA)を摂取する。
  2. 核酸が胃から小腸へ移動する。
  3. 小腸で核酸が酵素(ヌクレアーゼ)で分解されて、ヌクレオチドになる。
  4. 小腸でヌクレオチドが酵素(ヌクレオチダーゼ)で分解されて、ヌクレオシドになる。
  5. 小腸でヌクレオシドが酵素(ヌクレオシダーゼ)で分解されて、プリン塩基になる。
  6. 小腸でプリン塩基が吸収される。

吸収から活用まで

  1. 吸収されたプリン塩基は血液で全身に運ばれる。
  2. 細胞が血液からプリン塩基を取り込む。
  3. 細胞内で、プリン塩基→ヌクレオシド→ヌクレオチドに再変換され、核酸(DNAやRNA)に合成に使われる。
  4. 核酸(DNAやRNA)は新しい細胞の生成や細胞の修復などに使われる。

活用から排出まで

  1. 使われなかったプリン塩基や古くなった核酸(DNAやRNA)は、分解されて尿酸になります。
  2. 尿酸は腎臓でろ過されて尿の一部として体外に排出されます。

プリン体の健康への影響

プリン体は体内で分解されると尿酸という物質になります。

通常、尿酸は血液中に溶け込み、腎臓を通じて尿として体外に排出されます。

しかし、尿酸が多すぎると血液中の尿酸濃度が高くなり、尿酸がナトリウムと結びついて尿酸塩結晶が形成されることがあります。これが「痛風」の原因になります。

さらに、尿酸が結晶化して固まり、「尿路結石」を引き起こすこともあります。

これらの症状は激しい痛みを伴うことが多く、生活の質を著しく低下させる原因となります。

プリン体の摂取上限とお酒に含まれる量

日本痛風・核酸代謝学会の『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』によると、プリン体の1日の摂取上限は400mgとされています。

では、お酒にはどのくらい含まれているのでしょうか?

痛風・尿酸財団が公開している情報によると、お酒100mlあたりのプリン体含有量は以下の通りです。

ウイスキー:0.1mg
日本酒:1.2mg
ワイン:0.4mg
ビール:3.3〜6.9mg

1杯あたりに換算すると以下の通りです。

ウイスキー:0.06mg
日本酒:2.16mg
ワイン:0.72mg
ビール:11.55〜24.15mg

ビール1杯でもせいぜい平均18mg程度しかありませんが、ご飯小盛り1杯(100g)で26mg、魚1尾で150mgくらいのプリン体が含まれているので、1回の食事で約200mgのプリン体を摂取することになります。

1食で1日上限の半分ですから、ビールを2杯3杯とおかわりすれば、あっという間に上限値を超えてしまいます。

プリン体が含まれる食品

プリン体が多い食品

プリン体が多い食品には、内臓肉(レバーなど)、魚(イワシ、サバなど)、甲殻類(エビ、カニなど)があります。

これらの食品は、特に高尿酸血症や痛風のリスクがある人は摂取量に注意が必要です。

プリン体が少ない食品

プリン体が少ない食品には、野菜、果物、乳製品、米などがあります。

これらの食品は、尿酸値のコントロールを意識した食生活に取り入れると良いでしょう。

まとめ

プリン体は、私たちの生命活動に必要な重要な成分ですが、過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼすことがあります。

食事からの摂取量に注意し、バランスの良い食生活を心がけることが大切です。

参考サイト
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