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【完全ガイド】日本酒の製造工程|13の工程や焼酎との違いをわかりやすく解説

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日本酒
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日本酒製造の13ステップ

日本酒製造の様子

日本酒は、わずか数種類の原料から、繊細な工程を経て生まれる日本の伝統的な酒です。本記事では、日本酒がどのように造られるのかを、専門知識がなくても理解できるように丁寧にご紹介します。

また、製造工程の違いから見た「日本酒と焼酎の違い」についても解説します。

1. 精米|繊細な味に繋がる重要工程

玄米(もみ殻だけを取り除いた状態)の外側には、たんぱく質や脂質などの成分が多く含まれており、これが日本酒の雑味の原因になります。

そのため、日本酒造りではまず玄米を削って中心に近い部分を使用します。

残った割合を精米歩合と呼び、吟醸酒や大吟醸酒など、日本酒の分類基準の一つです。数値が低いほど雑味が少なく繊細な味わいになります。

▼日本酒の種類を徹底解説▼

2. 浸漬|発酵の土台作り

精米した米を水に浸して水分を含ませます。適度に水を吸わせることで、麹菌や酵母が活発に働く土台ができます。

吸水時間が長すぎると味がぼやけてしまうため、厳密な管理が必要とされます。特に精米歩合が低い米は、繊細で浸漬の影響を強く受けるため注意が必要です。

3. 蒸し|糖化効率向上と殺菌効果

水を含んだ米を蒸すことで、米に含まれるデンプンが水分を吸収して軟化(糊化)し、麹菌の酵素により糖に分解されやすくなります。

また、加熱による殺菌効果も得られます。

蒸し終えた米は「蒸し米(むしまい)」と呼ばれます。

4. 製麹|酵菌を育てる

蒸し米にはデンプンを糖に分解する「酵素」が含まれていません。

そこで、蒸し米の一部に酵素を持つ「麹菌」を振りかけて育て、「麹米(こうじまい)」をつくります。麹菌が持つ酵素によりデンプンを糖に変えていきます。

5. 酒母造り|酵母を育てる

麹菌を育てた後は、糖をアルコールと二酸化炭素に分解する「酵母」を育てます。

蒸し米と麹米をそれぞれ一部使い、水と酵母を混ぜ合わせます。

ここに乳酸菌を加える(または自然発生)と、液体は酸性になり、不要な雑菌が増殖しづらくなります。酵母は酸性に強いため、酵母だけが繁殖し続けます。

酵母が十分に繁殖した液体を「酒母(しゅぼ)」と呼びます。

6. もろみ仕込み|発酵の準備

酒母に麹米・蒸し米・水を3回に分けて加える「三段仕込み」を行い、発酵液である「もろみ」をつくります。

段階的に原料を加えることで、酵母の数・酸やアルコール濃度が急激に変化することを防いで雑菌の繁殖を抑えつつ、酵母の働きを最大化させます。

7. 発酵|麹菌と酵母で分解

麹菌がデンプンを糖に変え、酵母がその糖をアルコールにと二酸化炭素に変換します。

この2つの反応が同時進行する「並行複発酵」が、日本酒ならではの特徴です。

8. 上槽|絞って液体部分を抽出

発酵が終わったもろみを搾り、液体部分を取り出します。これが日本酒となり、搾りかすは「酒粕」として残ります。

通常はこの後、滓引きや濾過を行い、澄んだ清酒に仕上げますが、 上槽の際に粗めの布やフィルターを使ってあえて滓(おり)を多く残したまま瓶詰めする酒もあります。 このようにして仕上げた酒が「にごり酒」と呼ばれます。

9. 滓引き|濁りを除去

上槽工程で抽出した液体をタンクに一定期間放置して沈殿物(滓)を自然に沈め、上澄みを抜き取ります。これにより、見た目もクリアな酒になります。

10. 濾過|さらに濁りを除去

フィルターや活性炭(物質の吸着効率を高めた炭)に通し、微細な不純物を取り除きます。風味や色味を整える目的もあります。

11. 火入れ|加熱により殺菌

日本酒を加熱処理し、雑菌を死滅させる工程です。これにより長期保存が可能になります。火入れをしない「生酒」はフレッシュな風味が特徴です。

12. 貯蔵|熟成になり味を整える

火入れした酒は、一定期間タンクなどで熟成させます。貯蔵中に味がまろやかになり、香りも落ち着いていきます。

13. 調合|味とアルコール濃度の調整

複数のタンクの酒や異なる年の酒をブレンドし、加水でアルコール度数を調整します。目指す味わいをつくる最終工程です。

日本酒と焼酎の違い

日本酒と焼酎の違い

日本酒と焼酎はどちらも日本の伝統酒ですが、原料製法に大きな違いがあります。

原料の違い

日本酒は主にを原料としますが、焼酎は米・芋・麦・黒糖などさまざまな素材から造られます。

製法の違い

日本酒は醸造酒であり、発酵させたもろみをそのまま搾って仕上げます。
一方、焼酎は蒸留酒であり、発酵後のもろみを蒸留してアルコール分だけを抽出します。

この違いにより、焼酎は日本酒よりもアルコール度数が高く、保存性も高いという特性を持っています。

▼醸造酒と蒸留酒の違いを徹底解説▼

おわりに

日本酒は、シンプルな原料から驚くほど多様な味わいを生み出す、奥深い発酵文化の結晶です。工程を知ることで、日々の一杯がより特別なものになるはずです。

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